もう《晴れた》。
U番記者(以下U):あのぉ…。
神主(以下神):…。
U:ここの神社って、
天気の神様が祭られているんでしたっけ?
神:…。
U:雨乞いだけでなく、晴れ乞いもできるとか。
神:…。
U:明日の試合、どうしても取材したくて、
ささやかなんですが、明日の晴れを祈念しようかと。
神:出ていけ。
U:え?
神:出ていけ!
U:出て行けって何ですか唐突に。
神:お前のような「願い事」にすがる奴が、
何やったって叶いっこねえ。
悪いことは言わん、そんな脆弱な願いならば、
むしろしない方がましだ。
U:お言葉なんですが…まがいなりにも私、
お賽銭持ってきたお客さんなんですけ
神:喝だ!!!
いいか、願う段階で既に、
「そうならない」ことに向かっておる。
願いではない、そうと決めることだ。
決めるのだ。狙うのではない、そうと《する》のだ。
U:(やばいとこに来たな…)あーもう、わかりました。
ちょっと場所間違ったみたいです、失礼しました。
神:それがそうと、既に監督は決めている。
U:え?カントクって?
神:明日は晴れろ、ではなく、
明日は晴れだ、そして試合を《した》と。
彼の中でもう、明日の試合開催は過去形になっている。
よって明日は、晴れる、いや《晴れた》。
晴れをイメージしろ、やがて向こうから、結果がやってくる。
U:え?もしかしてあなた、ユーマーズを
神:こんな晴れ乞いする暇があれば、
次の『nUmber』の構想を考えておくことだな。
U:凄すぎる。まさかここも繋がっていたなんて。
神:と言っても、せっかく来たのだ、
一つこれでも買って帰れ。
U:何ですかこれ。
神:テルテル坊主。
U:あるんかーい(笑)。
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