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2022年11月20日

《UMAsストーリー》0.8%の軌跡

漆黒のカリスマか、

はたまた、

虹色のファンタジスタか。



2022年秋季リーグは、

最終節の最終戦までもつれ込む、

伝説の「名勝負」数え歌となった。



その余韻は初冬に向かう11月下旬を迎えてもなお、

ユーマーズの魂にコダマを許している。



勝った負けたの世界ではない。

目指すのは、勝ちを通じたプロセスだ。



文化の持つ遊びの要素についての定義づけに挑んだ、

ヨハン・ホイジンガというオランダの歴史学者は、

著書『ホモ・ルーデンズ』の中で、


競技は遊びのようではあるものの、

その遊びにある勝ち負けは目的ではない、

その行為そのものに目的が及ぶという記述がある。


そしてこう書いている。



冒険、チャンス、結果の不確実性、そして緊張が

遊びの心掛けの本質を形づくっている。




ユーマーズ劇場は、

勝ち負けを目指す中で創出される。



冒険、チャンス、結果の不確実性、

何とも言えぬ緊張感が、

ユーマーズ劇場における本質的な果実だ。



再三に渡って申し上げてきたこの下りも、

ここまで論を展開すると、

実はもう一つの《顔》を見せ始める。



もしかすると、である。



ユーマーズの試合はあくまでも表層であり、

そこに至る無数のプロセス、

日常に埋もれ続ける、

膨大にして見過ごされがちなもの一つひとつが既に、

ユーマーズ劇場を形づくってはいまいかという

提唱である。



0.8%のシェア率。



急に出したこの数字は、

月に2回、試合が行われたとして、

《一か月に占めるユーマーズ時間の占拠率》

を指す。



心情を吐露すれば、

この0.8%というわずかな占有率を明らかにするために、

毎回、出席率に右往左往しているのかと思うと、

やや滑稽な感は否めないが、

0.8%というものの実態は、

それこそ表層の表層、

限られたワンシーンだ。



残り99.2%に、

ユーマーズ戦士たちの生があり、

日常があり、劇場がある。


99.2からみた0.8は余りにも小さいが、

希少な0.8《のために》集い、

至極の0.8を絞り出すために、

この大きな99.2という裾野が在ると解釈すれば、

見えてくるものがまるで違ってくる。



そう、よって、

0.8%という海岸から眺めた一人ひとりの生き方は、

この表層の0.8%を生み出すために広がる水平線、

実に壮大な大海という名の、

99.2%なのである。



ラーメンで言えば開店前の仕込み、

鶏を裁き、具材を刻み、

秘伝のたれを投げ入れ、ぐつぐつと煮込む。

その結果生まれた、

0.8%という凝縮されたスープの妙だ。


しかも仕込みは値段に反映されづらい。

店主の努力、積み上げてきた探究、

ここにしかないレシピを生み出したプロセスは、

何食わぬ顔でスープに溶け込み、

食する消費者からは素通りされる。




家族で起こったこと、

通勤電車のルーティン、

取引先での出来事、

拭えない人間関係のひずみ、

その全てが、0.8%の土壌となる。


そう思えばこそ、

グランドに立つ試合だけが、

ユーマーズではなくなってくる。



あらゆるものが、

ユーマーズの、0.8%に必要な大海となり、

ここにしか立ちえない具材となって、

私たちの心を、そして腹を、満たしていく。



プロセスに劇場を見るとは、

こういうことなのかもしれないのだ。



////////////////

マスター(以下M):分かりました、連絡待ってます。

U番記者(以下U):こんちわ。

M:おお、いらっしゃい。

U:電話大丈夫でした?

M:ああ、監督からだった。

U:まだ午後2時ですよ。

  仕事してるんですかね。

M:それを言うならお前もだろ。

U:何かあったんですか?

  豚汁定食テイクアウトですかまた。

M:何やら怪しい会を考えているようだ。

  試合中に録画したのを鑑賞会するからと。

U:ビデオ?撮ってましたっけ?

M:10月の公式戦から確かにビデオは回していた。

  ベンチをずっと固定で撮っていたと思う。

U:ベンチぃ?なぜそんなところを。

  プレーしてるグランドじゃないんですか?

M:多少角度によって打席も取れているそうだが、

  肝心なのはベンチだそうだ。

U:監督の悪口言ってる

  犯人探しでもするんですかね。

M:本人もベンチにいるだろ(笑)

U:何をしようとしてるんですかね。

  そういえばパーカーのデザイン、

  ほぼ固まったそうですよ。

M:へえ、案外早いな。

U:色も3色から選べるのが奇抜ですね。

  デザインのコンセプトは、

  「女性がユニバで着ていきたくなるもの」

  だそうで。

M:通信販売でも興すのか。

U:やはり、ユーマーズ劇場を世に広めて、

  今までにない、ここでしかないを、

  貫こうとしてるんじゃないですかね。

M:まあ、確かにそうだ。

U:何がですか?

M:人生は一度きり。遠慮してたら時が過ぎるわ。

U:何スか急に。

M:鑑賞会も、来れる人は限られるだろうが、

  そこから見えてくるものもあるんだろう。

U:ただワイワイしたいだけだったりして。

M:あるな、それ。

U:まあ、何にせよ、

  やってみればいいんですよ。

  そこからしか望めない景色もある。

M:何遠い目して言ってんだよ。

U:マスターも買うんですか?パーカー。

M:スポンサーになろうかなって思って。

U:すげえ!なんて献身的な!

M:いや、今回のデザイン、

  まじでイイらしいな。

U:ふっはっは。

M:変な笑い方やめろ。

U:そうなんですよねぇ。

  めちゃかわいいですよ。

M:もったいぶっても、

  お前はかわいくないぞ。

U:まあ、12月中には納品できそうですから、

  楽しみにしておいてくださいよ。


////////////////


ユーマーズ劇場、今は確かにオフシーズンだ。

しかしこのオフの間こそ、

劇場のスープが煮込まれている。

0.8%はそうやって、味を生み出していく。



終わればユーマーズ、

打って打って打ちまくった。


最高打率に、最多安打。

最多得点に、最多四球。


事実、リーグ記録として残されている

ユーマーズ2017年度の最高打率「.511」は、

20年の歴史あるリーグの中で、

未だ破られていない金字塔だ。


その打線に呼応して、

失点率もまた、上昇機運だ。



虹色のファンタジスタに、

ユーマーズ劇場に、

安易なゴールテープは、

似合わない。


冒険、チャンス、結果の不確実性、

そして緊張が、

ユーマーズを揺さぶり続けるからだ。



これまでも、

そして、

これからも。


《UMAsストーリー》0.8%の軌跡



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