京都上鳥羽UMAs公式ブログ

10年という月日は、

皆さんにとって「長い長い10年」だろうか、

それとも「あっという間の10年」だろうか。



もちろん、その人の置かれた環境や捉え方で、

過ぎ去る時間の感じ方は変わる。



しかし、2023年を生み出したここ10年という月日は、

過去ないほどの激変と不確実性を、

半ば恒常化させてしまった。



今から11年前の「今日」が、

過ぎ去った月日の長さゆえか、

人間とAIが真正面からぶつかり合った日であることを、

覚えている人はかなり少ないだろう。



電王戦。



将棋の棋士が、

遂にAIに完敗した日だ。



AIの名は「ボンクラーズ」、

人類代表は将棋連盟会長（当時）米長邦雄永世棋聖。



「アニキは馬鹿だったから東大へ行った。

　俺は天才だったから棋士になった」



残した名言は数知れず、

棋界のプレイボーイとしても名を馳せた米長会長。


まさに11年前の今日は、

人類の頭脳が人工知能に凌駕される

時代の幕開けとなった。



当時のタイトルホルダー達は、

AIとの対戦を避けた。



負けた時の影響が大きいという配慮からだ。

ある意味で棋界の行く末を考えての

”石橋”だったのだろう、

しかし、米長会長は違った。


その「先」を、見据えていたからだ。



「これから10年たち20年たった時に振り返って、

　意味があった、意義があった、

　大変なことをやったという事になるだろう」



未来は見えるものではない、

「見に行くもの」だ。

だから米長会長は自ら、AIに戦いを挑み、

看板を賭け、肩書を払いのけ、

すべてをさらして、

その未来を「見に行った」。


そしてその言葉は、

本当に《そうなった》。




人間の頭脳と人工知能のデッドヒート、

そのストーリーは今でも棋界で語り草になっているが、

それは戦いを挑んだがゆえに「勝ち取った」物語だ。


この世紀の敗戦から5年後には、

現役の名人がAI「ポナンザ」に敗れている。



ここで遂に、終戦を迎える。

人間はAIに勝てるはずがないという烙印だ。

闘ったことで「終戦」となる。

米長会長が11年前の今日、

戦いを避けていたら、

この物語は生まれていない。




ユーマーズ劇場は、

日々のプロセスにあると、言い続けてきた。


この先、人生100年の受け皿が必要であると、

言い続けてきた。



今この時代に言わせれば、

何だかよくわからない話かもしれない。



未来に向かうべく「開戦」の時を迎えるか、

現代の常識にすり寄っていくか。


もう答えは明快だろう。



あれから11年、

長い長い11年もあれば、

あっという間の11年もある。


ユーマーズの11年前は、

8勝13敗1分、

最多三振を喫している。



その9年後に、

ユーマーズは圧倒的な打力で

初優勝をもぎ取るのだ。



未来はそもそも分からない。

だからこそ、私たちは目指す。



「意味があった、意義があった」と思われる、

その先の世界へ。



ユーマーズ劇場の、この先の11年後を、

さあ一緒に、見に行きませんか。



今年は、どえらいことに、挑みます。

まだ見たことのない世界。




ユーマーズ劇場を彷彿とさせる、

米長会長の決意表明がある。

AI「ボンクラーズ」と戦う前のインタビューだ。



「私がこの将棋に負けたら引退します」



事実、彼は敗れるわけだが、

きちんとオチがついていた。



言われなくとも彼は

「既に引退していた身」だった。


こういうリップサービス、

ユーマーズ劇場も真っ青だ。




何とも愉快な、かっこいい年の取り方を、

ユーマーズ劇場も、目指したいものである。



2012年の「今日」は、

将棋の人工知能敗戦記念日だ。


しかし、この一歩が間違いなく、

11年後の今日を創った。


AIは人類を凌駕した、

今度は人類が、

AIでは創れない価値を創る番だ。


それが、ユーマーズ劇場のよすがなのだ。



そういう戦い方を、

ユーマーズは目指したいのである。



人間の生きる意味を問い続けたいのである。

ただ、それだけなのである。