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2023年12月10日

12/10 最終節

初のクジ引きでオーダーを決め準優勝
ユーマーズ劇場に無限の可能性を見た




「いやちょっとこれ、

 まじでヤバいですこれ。」


最終戦の勧修寺、

霧が覆う山科の地で、ユーマーズ劇場が

そう易々と思い通りにいくとは思うなよと、

それこそ勧修寺の胸騒ぎがグランドに呼応する。


勧修寺とは、

真言宗山階派の大本山。

醍醐天皇が母の菩提を弔うために創建した、

桜、藤、杜若、花菖蒲などが咲き乱れる景観豊かなお寺である。


そう、あの水戸黄門で有名な水戸光圀が寄進したとされる

雪見灯籠も保管されている。



そんな由緒あるお寺は、

ユーマーズにとっては「初優勝の舞台」

勧修寺グランドの記憶が刷り込まれている。



冒頭の発言は、ガッキーだ。

予告通り、今回の初戦、守備も打順もくじ引きで決めた。

まさかの「キャッチャー」を引き当て、顔面蒼白となったのだ。



優勝は遠のいた、だからヤケクソで、

抽選でスタメンを決めたと言われると困る。


弓指監督が前夜に、抽選をする意図を共有していた。


□今一度このグランドに感謝したい。当たり前というものはないので。
□日々の1試合1試合は奇跡である、その1シーン1シーンを噛み締める。
□普段守らない守備につくことでその難しさを知る、新しい視座が劇場を生む。
□過去も虚、未来も虚、あるのは「いま」。この「いま」を体感しよう。
□ユーマースでしかできないことを、やる。やってみる。


綿密に練られた構想があったのだ。


////////////////////

マスター(以下M):とか言ってるけどさあ…。

U番記者(以下U):ちょっと待ってください、今レモン絞ってるんで。

M:抹茶カクテルで何でレモン絞るんだよ、っておいおい。

U:監督の本音だと思いますよ。来季に向けて、

 もっと柔らかく、もっと激しく、そして劇場を謳歌できるように、

 この機会を起点に、来季の完全Vを目指してるはずですよ。

M:確かに、良い声出てたよな。

U:活気づくことって、

 案外こういうことから生まれるんですよ。

 今日は日高選手のデビュー戦でしたし、

 見事なプレーもいくつもありました。

M:何か、アートを見ているようだったな。

U:可憐な守備でした。

 がっきー、さすけ、リーディンのトライアングル、

 これはお金取れるレベルですよ。

M:言うねえ。

U:来年、マジでそういう日が来るかもしれませんよ。

M:え?それ、どういうこと?

////////////////////


封筒の中には、それぞれ小さく守備名が書かれている。

「センターよろしく!」とか、

「DPで打ちまくれ!」とか、

あまり気の利かないコメントが添えてある。


そう言えば今日も、出欠で劇場だった。

藤野選手が体調不良で欠席、

渡部選手も仕事が入り来れず。

その一報のたびに、くじを差し替える。


若い者順に引かれていく。

そして一斉に封を開ける。

歓喜の声、落胆の吐息そして、

普段と変わらない上田選手の一塁など、

様々なケースで一喜一憂した。


ただしデビュー戦の日高選手だけは、

一番・ショートを確約していた。

監督の愛である。


///////////////////

M:当たり前だろ。

U:横やりダメですって。

///////////////////


次いで打順も引き、一旦以下に決まる。

6日高
3上田
2下垣
4尾崎
7弓指
5熊澤
8稲葉
9香川
D尚輝

1福田→裕之→啓祐

ここでガッキーの顔面蒼白を見た面々が、

下垣をセンター、稲葉をキャッチャーに変更とした。

打順はくじのままである。


かなり前置きが長くなった、

こんなドラマを抱え、ユーマーズ最終戦に挑むのである。

今思えば、なかなかな英断、あまり聞いたことがない。

///////////////////

M:当たり前だろ。

U:だから横やりダメですって。

///////////////////


さあ、劇場に始まり、劇場に終わる。

俺たちはまだまだ先を行く、

その先の、絶対的Vを目指し、

どこを守ろうが、どこで打とうが、

ユーマーズ劇場は、ぶれない。


第一試合
クジでも勝てる!そして吠える!
先頭打者本塁打等で盛り上がる劇場


M 0300 3
U 428- 14

6日高
3上田
8下垣
4尾崎
7弓指
5熊澤
2稲葉
9香川
D尚輝

1福田→裕之→啓祐

先発は、これまたくじ引きにより福田投手。
(以下、中継ぎ裕之投手、抑え啓祐投手と決まる)。

コントロール冴えわたり、見事零封で抑える。

打つ方では、くじ引き打線がいきなり点火。
デビュー戦先頭打者で本塁打した日高選手、
恐らくU史上初である。

圧巻はリーディン熊澤のスリーラン。
首位打者争いを本塁打で決めにかかる豪傑さは圧巻。

2回の守備、3ランを浴びたとなっているが
正確にはレフトの奇怪な動きによって3点を献上した形となる。

しかしそのまま、ユーマーズ打線が止まらない。
下垣選手、弓指選手、それぞれのタイムリーにあわせ、
リーディン熊澤のソロ、そして開眼した尚輝選手の豪快アーチなどで
一挙8得点。試合を決めた。

後続は裕之投手、啓祐投手、まるでゆりかごに揺らされているかのような、
壮大な安心感で零封。

くじ引きで決めたオーダーが、結果的に体を心を動かした。

初のライトを守る香川選手のレーザービームに舌を巻く。
これまた初のセカンドを守る尾崎選手の秀逸なフィールディング。
左投げだから向かないって?何をおっしゃるウサギさん。


そうなのだ、できるものなのである。


グランドに感謝し、この機会に感謝し、そして、

「今ここ」を守ることへの、感謝。


つまりはまだまだ、俺たちは大きくなれる。
もっともっと、未知な世界に入り込める。

ユーマーズ劇場が、一段と大きく見えた。


第二試合
今後は「挙手制」で守備を決め、試合も決めた。
打ち乱れ咲き誇る。継投も光り準優勝も決めた

R 2001 3
U 592- 16

4熊澤
9弓指
8尚輝
2稲葉
5香川
6日高
7上田
3尾崎
5下垣

1啓祐→福田→裕之

てっきり2試合目は審判だと思っていたら、
弓指監督の間違いが発覚。すぐの試合と知り慌てる。

打順だけは決めていた。渡部選手の欠席は弓指監督自らを放り込んだ。
そして守備については、これも初の「挙手制」にした。

キャッチャーとピッチャー以外は、したい人が手を挙げる。
かぶったら、じゃんけん。


///////////////////

M:お前ら、休み時間か。

U:いやだから横やりダメですって。

///////////////////

譲り合い、微調整、色んなことも加味して、
オーダーが仕上がっていく。

まさに創発、ティール組織もビックリの展開ではないか。


そのテンションとパフォーマンスは事実、

ずっとここからも伸びっぱなしである。

先発は啓祐投手、初回2点献上するも、
2回を2失点で上々の滑り出し。

ユーマーズ、打つ方でタカを外す。

尚輝選手の2ランに、リーディン熊澤の三塁打に、
後は安打を積み重ね積み重ね、終わってみれば16得点。

守っても、日高選手の可憐な併殺美技は、
額縁に入れたいクオリティ。

首位打者争いをチームメイトで展開する熊澤・稲葉の両選手、
下垣選手もサードの動きによどみがない、
固め打ちした上田選手も、レフトを守ってリベンジを果たした。

その後、マウンドを譲り受けた福田投手も1回を零封。
抑えに上がる裕之投手、圧巻の三振ショーで勝利をもぎ取った。



///////////////////

M:今日の経験は、ユーマーズを大きくしたな。

U:どうしてですか?

M:くじ引き引いて、挙手制で決めて、

 こんなこと普通しないだろ?

U:ええ、それはほんとに。

M:今年を振り返れば、

 田んぼで長靴履いて泊りがけで野球したり、

 テーマソング作ったり、

 LINEスタンプも制作して、

 インターンシップまで受け入れて、

 ここまでやるのかってくらい、暴れたよな。

U:ふふふ。

M:何だその不敵な笑みは。

U:甘いですよ、来年はこんなもんじゃないですよ。

M:マジか?どういうことだ?

///////////////////


勧修寺には、池がある。

そこに浮かぶ蓮の葉は、四季折々で表情を変える寺の情景を、

今日も密かに、そして脈々と支え続けている。


ユーマーズ劇場を支えるものは、

メンバーであり家族であり、相手チームでありグランドであり、

そう、誰一人欠いては実らぬ軌跡の連鎖である。


2023年の公式戦は、11勝8敗1分けで終結した。

勝ち点23、同率チームがあるが救済措置を使われているため、

ユーマーズの準優勝は確実となった。

2年連続の準優勝を2回したことになる。つまり準優勝4度目だ。


ユーマーズ劇場は、どこまで進化するのか。

そして、その先に見えてくるものとは一体何なのか。


ユーマーズ、これだから、やめられないのだろう。

勧修寺に浮かぶ蓮の葉が、そう言っている。


12/10 最終節
最終戦を終え、みんなで笑顔の記念写真。

12/10 最終節
くじを引いた後、慌てて練習するU戦士達。

12/10 最終節
くじを引く直前の面々。この後の一喜一憂が忘れられない。

12/10 最終節
試合前夜、くじ引き創りに精を出した弓指監督オリジナルのくじ引き。なぜ隅っこに書く?

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これが記念すべき「くじ引き」のオーダー。荒れた字が壮絶さを物語る?

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八面六臂の大活躍、日高選手の初打席。2024年、必ずきてや!


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Posted by 京都上鳥羽UMAs at 15:40 │公式戦速報!