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スポーツ  |京都府南部

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2021年07月31日

《大河の布石》

マスター(以下M):わからんなぁ。

U番記者(以下U):そうですか…。何でしょうねこれ。

M:お前がスクープで取ってきたネタを、

 俺が知ってたら、それこそ変じゃないか。

U:もしかしたら監督から聞いていたとか。

M:ないない。最近店に来ないもん。

U:何か、忙しいんですかね。

M:わからんなぁ。

U:あ、その顔は知ってる顔ですね。

M:はずれ。ほんとに知らない。

 だって、大河ドラマだろ?

U:何なんですかね。

 「いい大人が、

  ユーマーズの大河ドラマを本気で作ったとか、

  どーせ悪ふざけでしょ?」


 こんな切れ端のメモ書き、普通あります?

M:まあ、今どき、メモの切れ端を拾うなんて、

 三流の刑事ドラマでも書かないシナリオだな。


U:何か、動いてるんですよきっと。

 監督がしばらく顔を出さないのも、

 ある意味合点がいく。

M:お前がブログ記事で、大河ドラマがどうとか、

 ユーマーズの名前の由来の下りで、

 『麒麟が来る』を持ち出したりしてたろ?

 あ…そうか、わかったぞ。

U:お、心当たりでも?

M:お前が吹っ掛けてるのか(笑)

 そんな、わからないふりして、

 全部お前が裏で動かしているのか?

U:ないですよ…。そうだったら凄いですけどね。

 そんな策士じゃないです、残念ながら。

M:まあ、とにかく、俺は知らない。

 今から豚汁定食作るんで、今日はこの辺で。

U:すっかり定番になりましたね、この定食。

M:そうさ。メニューはこれだけ。

 あとは欲しいものがあったら、何でも言ってくれ。

U:どこかのドラマで聞いたセリフだな…。

M:また感染者増えて、規制出るんだろうな。

 女子ソフトボールの決勝、本当に感動したけど、

 嗚呼また規制が始まるのかと思うと…。トホホだ。

U:ほんと、そうですよね。

 お店の方の苦悩が絶えない。

 いつまで、どこまで、やるんでしょうか。

M:それにしても大河ドラマか…。

 春季のユーマーズは、

 大河ドラマに相応しいものだったけどな。

 念願の優勝をもぎ取ってって展開は

 確かに見応えはある。

 でもお前、大河ドラマって、歴史のことだろ?

U:ですね。
 ユーマーズは劇場を創るのが仕事みたいなとこ、

 ありますからね。何か考えてるんでしょう。

M:コロナ、東京五輪、ユーマーズ優勝、

 もう色々あり過ぎて、

 気持ちが落ち着かんわ。

U:ですね(笑)

 すみません、長居しました。

 これで失礼します。

M:おう、またわかったら教えてくれよな。

U:はい!では!


M:…。もういいよ、入ってきても。

監督(以下K):しつこいなあ、あいつは。

M:ずっと黙ってるのか?

K:そんなことないって、9月に出すって。

 でもなんで、あの切れ端持ってるんだろ…。

M:まあ、俺も詳細は知らないけど、

 こんだけ引っ張って、…来季のことか?

K:それもあるけど、

 せっかくの初優勝だから、

 俺なりにちょっと。

 大したことないんだけどね(笑)。

M:しかし毎年毎年、色々やるよなぁ、お前も。

K:何言ってんだよ。

 この辺の仕掛けはマスター譲りじゃないか。

M:はは、まあな。

K:東京五輪で感動して、またコロナが増えて…、

 このシーソーゲームの中で、

 ユーマーズの意義は一層問われる。

 その想いを何とか、形にしたいなあと。

M:期待してるよ。定食食べてくか?

K:あいつまた引き返して来たら面倒だし、

 今日は帰るわ。

M:なるほどね。

K:じゃ、また。ありがと。

M:さあ、9月はできるのか、どうか?

K:コロナ禍は果たして、どうなっているのか?

 秋季の開幕は、さていつになるのか?

M:…続きは、次回の講釈で。

K:懐かしいな、それ(笑)



  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 00:53徒然日誌

2021年07月26日

人生初の絵日記


7がつ 24にち どようび

たんがおいしかったです。

とうるいがうまくできたです。

まきあつめがたのしかったです。

うつのがたのしかったです。

またみんなでいきたいです。




人生初の絵日記に、

7月24日、Uの壮行会のことを書いてくれた。

粋なやつだ!

任せろ!またみんなで、やろうぜ!

またここに、未来の花が咲いた。


  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 21:20お知らせ徒然日誌

2021年07月25日

7/24 第2回・緊急壮行会

2月に実施した日野野外センターでの壮行会、
もしかしたらあの場が、
春季優勝の火付け役になったのかもしれない。

あれから五か月、
真夏の炎天下で、
《日野様》にお礼参りや!

春季を彩った2大エース、裕之投手と啓祐投手に、
尾崎家、弓指家が加わり、

子ども達と共にグランドで駆け回った。

室内に追いやられた子供たちが、
五輪開幕のごとく、“解放”。

打って走って、
奥様方も加わっての大壮行会となりました。

グランドに立てる喜びと、
命の危機を感じるほどのクソ熱さの来るさが
渦巻いた第二回壮行会。

次回は秋に、それこそ連覇を果たした状態で、
また家族での催しを開催することを目指して!


実に賑やかで、熱い熱い壮行会となりました!


練習の合間に水をかける。これが実に気持ちいい。


笑喜カメラマンも遂にバットを握る。凛々しいじゃないか。


打って走って、焼いて食べて。お腹も心も満タンに。


ボールと追いかけっこ!


子ども達にも等身大で関わる啓祐投手。


何やら改まって集うU戦士達。これは次回への布石?  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 07:04オープン戦速報!お知らせ

2021年07月19日

Vへの軌跡③ ~東京五輪が感動を約束された理由~




劇的なほどの歓喜の展開には、

決まって、

残酷なプロセスが内在している。


ずっと平坦な、

アップダウンのない道程には、

歓喜のラストダンスは生み出せない。


感動や歓喜のフィナーレには、

その直前か、またはそのルーツに、

闇や葛藤がある。



劇的なサクセスストーリーには、

辛く苦しい生い立ちがある。



ユーマーズが誕生して16年になる。




その間、何かしらこのチームに加わり、

参戦または入団した選手の数は、

およそ200名に及ぶ。



200回のお別れと、

直面し続けた歴史が、

つまりはユーマーズの歴史である。



万年最下位に喘ぎながらも、

希望の道を手探りしていた。


いつか掴み取ろう、

頂きの景色をみんなで見よう、

そんな願望は、いつぞや幻のように、

もろくも崩れ去ろうとしていた。

一人、また一人と、

その仲間を失い続けた歴史でもあった。



だからこそ、

この残酷な歴史があるからこそ、

今季の初優勝が余計に心を打つのだとしたら…。



間もなく開幕する東京五輪の成功は、

ほぼ約束されたようなものだ。


コロナ禍で越年という史上初の試練を乗り越えて、

感染防止の中で、逆風の中で、様々な賛否の渦の中で、

それでも、もがいて、苦しんで、戸惑いながら、

それでも挑み立ち向かう姿に、

感動が起こらないわけがない。



同列にするのはおこがましい、

だけどあえて申し上げる。



ユーマーズだって、

アスリートだ。



家族の時間よりも、

グランドに立つことを選び、

仕事でもみくちゃになりながらも尚、

白球を追いかける少年少女達よ。



様々な制限の中で、

もう辞めようかと嘆くことも

決して少なくなかった日常の中で、

それでも、もがいて、苦しんで、戸惑いながら、

それでも挑み立ち向かう姿に、

感動が起こらないわけがない。

感動が起こらないわけが、ない。




残酷なプロセスよ、

辛く苦しい、闇や葛藤達よ。




お前たちの試練が、

俺たちを大きくした。




その試練が、他では味わえない、

感動を大きくした。



東京五輪と共に、

この苦難を乗り越えようではないか。



大丈夫、何の問題もない。

未来を創るために必要な能力は、

既に皆、完璧に備えている。

感動は、必ず、約束されている。




求め続ける限り、

苦しい道のりは遠のくことなく、

いつも私たちに寄り添い続ける。



俺たちは、

そんなプロセスの真っただ中にいる、

アスリートだ。




東京五輪は23日、開幕する。



地獄さながらのプロセスを経て、

つまりは、

約束された感動と共に。


  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 23:16徒然日誌

2021年07月18日

Vへの軌跡② ~専属カメラマンが織り成す、勝った負けたを超える価値~

珍しいことだが、

ユーマーズには専属カメラマンがいる。

笑喜健一朗。

被写体のためならプレイ中でも堂々と

グランドに割って入る猛者だ。

(たまに球審に注意される。

 その節は、ごめんなさい)。



彼がシャッターを下ろす写真からは、

選手たちの息遣いが確かに聞こえてくる。


彼の織り成す写真たちは、

勝った負けたの単純な構造から、

見事に解放してくれる。



ここに集う奇跡を、

そして確かにここにいたという軌跡を、

彼が撮る写真は、ユーマーズの誇りとして、

残してくれている。



初優勝を決めた今春は、

彼が収めた写真たちは、

残念ながら開幕戦のみとなった。



カメラマンも何かと忙しいのである。



改めて彼が撮影した写真を見ると、

選手のプレーだけでなく、

家族とのふれあいや、

見慣れた風景のちょっと違った視点を

見せてくれる。



そうなのだ、この、

「誰もが見ているのに、誰も見えていない」

瞬間を収める技能が、彼にはあるということだ。



そして、勝った負けたを超えた、

一人ひとりの物語を、彼は表現してくれる。



ユーマーズ限定にはなるが、

そんな笑喜カメラマンが開幕戦の、

しかも初戦のみ収めた写真たちを使って、

特別編集を実は企んでいる。



彼に言わせれば「大げさな」と失笑されそうだが、

撮った写真たちがより生き生きと動き出し、

物語がユーマーズでしか表せない価値を生み出すものと、

確信している。



お披露目は9月、それまで、しばし、

お待ちあれ。



優勝という大きな頂は、

こういう物語の数珠繋ぎであるということを、

彼が押すシャッター音が、教えてくれる。


彼も立派な、プレーヤーなのだ。


9月4日、公開予定



  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 10:06徒然日誌

2021年07月09日

Vへの軌跡① ~根っこ掘りが決戦に“立てた”理由~

さん然と輝く“チャンピョンフラッグ”

しかしこのご時世である、

大きな旗は小さな部屋には飾れない。


デジタル社会よろしく、

こうしてデータに収めれば、

いつでも、どこからでも、

優勝の場に立ててしまう。


7月4日は、夢が現実になる日。

チャンピョンフラッグに書かれた直筆サインの数々は、

この日に参戦したU戦士たちの、

殊勲の爪痕でもある。


しかし、その中で一人、

試合の場にいなかったにも拘らず、

ちゃっかりとサインをしている選手がいる。


義弘選手だ。


《決戦に立つものの軌跡》と題されたこのサインに、

義弘選手が“参戦”しているのは理由がある。




試合前の、午前10時過ぎ。


何か、何かがおかしいと思っていた。


雨雲を蹴散らした喜びと、

悲願達成なるかという緊張の中で、

どこか足元が浮ついていた。



車を走らせてしばらく、

ふと重要なことに気づく。



やばい、ベース忘れた。



審判から始まるときは、

必ずベースを持参する。



しかし、この日に限って、

否、この日だからこそ、

よりによってベースを入れ忘れたのだ。

なければ試合ができない。



ベースは義弘選手の倉庫に保管してる。

今から取りにいかねばならない。



途中、信号待ちのたびにスマホを取り出し、

「ベース忘れた」とだけ、

か弱いメールを送り付ける。


もらった方はどうしていいかわからないだろう。

送った本人もそれはわかっていた。


しかし、そうするしかなかった。



間もなく義弘宅につく、その時だった。


自転車のかごにベースを載せて、

まさに今、

漕ぎ出そうとしていた義弘選手がそこにいた。



どこを走っているかもわからない、

どこで行き違うかもわからないのに、

まずは足が動き、何とか届けねばとする、

鉄人・義弘魂が“試合前から”開花していたのだ。



試合には参加せずとも、

この志と試合への貢献が、

7月4日を成立させたといっていい。



試合は何も、プレーに限らない。

そのプレーに行き着くまでにも、

誰も分からない、見えない努力が

積み上がっている。



荒廃した小田原の地を復活させたのは、

二宮尊徳である。



彼は労働者を評価するときに、

動機の誠実さで判断した。


大して注目もされなかった、

「根っこ掘り」に勤しむ老人を、

ある日彼は最も評価した。



《誰もしたがらない仕事をした》

《切り株を取ってくれたからこそ、

 みな良い仕事ができたのだ》、と。


盛大な胴上げも確かに素晴らしい。

しかしその裏では、

見えないファインプレーも存在していた。



ここが、

ユーマーズなのかもしれない。



見えない活躍がある、だから、

俺たちが、ある。



チャンピョンフラッグに義弘選手は、

名前だけでなく、もう一言書いている。


《信じられないけど、めでたい!》


信じられないことは、

信じるに足りる誠実さがあれば、

案外あっさりと、生まれるのかもしれない。




/////////////////

U番記者(以下U):でもね、マスター。

マスター(以下M):なんだよ、でもって。良い話だろ?

U:もしこれ、タイミングずれて行き違い起こしてたら…

M:そうさ、シャレになっていないのさ。

U:おいおい、、紙一重かよ(笑)

/////////////////



さん然と輝く“チャンピョンフラッグ”にも、

しっかりと、“劇場”は刻まれていた、

その劇場が、あの試合の場を生んだ、

というお話でした。


ユーマーズ、バンザイ。


チャンピョンフラッグが、果たしてどんな仕上がりになるのか。データでおしまいなのか。
答えは9月4日に、でるのかもしれない。  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 22:50徒然日誌

2021年07月05日

2021.07.04号


  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 10:23Uスポ一面

2021年07月04日

【祝優勝!】7/4最終節

ユーマーズ、2006年リーグ加入以来、初優勝。
最終節、勧修寺で“本当に”花が咲く。
これは夢でも、CGでもありませんから。



雨雲を蹴散らすと豪語した男は、

それでも午前6時、

アラームが鳴る前に目を開けた。


サーっという無情に地面をたたく水音が、

閉ざした雨戸の向こうから漏れ伝わってくる。


観れば地面はもとより、

どんよりとした雲が空を覆い、

全体が雨に支配されていた。


だめか、無理なのか、

そんな戯言が頬をかすめる。



それでも、

今日の試合が流れるという想像が、

どうしてもできなかったという。


結果的に、試合開始の合図よろしく、

空は見事に、その雨雲を蹴散らした。


誰の仕業か、何の因果か、

その“予言”は出来すぎるほどに、

的中することとなる。



//////////

マスター(以下M):いやだからさあ、そうじゃねえだろ。

U番記者(以下U):また難癖つけるんですか?

M:失礼な。そんな天気の前置きなんか、

 どうだっていいんだよ。

 今日、ユーマーズが“何をしたのか”

 知ってるよな?

U:もう酔ってるんですか?当たり前でしょ。

 見てきたの私ですよ。

M:天気のことはもういいんだよ、前日に書いたろ。

U:前日から劇場は始まってるんですよ。

 今日は盛沢山なんですから、混乱させないでください。

M:お前、「花さき山」って絵本、知ってるか?

U:どうしてこのタイミングで、更に混乱するような

 新しいトピック投げてくるかなぁ、もう。

M:この絵本、「おどろくんでない。」から始まるんだ。

 いやあ、今日の結果を言い表してるよな。

U:浅い。。。余りに浅いですよその引っ張り方。

M:「花さき山」に咲く花は、

 辛いのを辛抱したり、自分よりも人のことを想ったとき、

 泪を辛抱すると咲くんだよ。そういう話だ。

U:で、それがどうつながるんですか…。


//////////


もしかすると、この雨であっても尚、

「今日の試合が流れるという想像が、

 どうしてもできなかった」という監督の脳裏に、

今日のフィナーレの宿命の様なシンパシーを

感じていたのかもしれない。




一度もまだ優勝できないという、

プレッシャー。


ユーマーズ創部の頃の、

見事な弱小具合から見れば、


「一度も優勝できない」という比喩は

あまりにも酷だ。


しかし、優勝争いをしてからの4年間は、

まさに常勝にして無冠の帝王、

ここぞというときに劇場が体を駆け巡り、

見事な敗戦を展開し相手を喜ばせてきた。


そのプロセスが宝であることは言うまでもない、

だからこそ、劇場という劇薬の効用は、すでに、

誰あろうU戦士たちの五臓六腑にまで染みわたっている。



U戦士の存在一人ひとりが、

そのプロセスの宝をもって、

今日という重要な日に向き合うこともまた、

何処でも味わえない財産なのだ。



//////////

M:今日の結果は、今日だけで作ったんじゃないんだ。

 花さき山にあるような、積み重ねた泪の結晶、

 15年の辛抱と成長の賜物なんだ。

 ここを、お前には、

 しっかり描いてほしいんだよな。

U:もちろんですよ。

 来月は忙しくなりますよ。号外に特集に祝勝会に。

 軌跡を一つひとつ、追いますからね。

M:ドラマだよなあ、、大河ドラマだな。

U:一年シリーズでもできますよ。

 それくらい、奥の深い2021春季でした。


//////////


しかし、、今更ながらである。

ユーマーズは確かにリーグ優勝を目標にはしていた。


ただどこか、現実味に欠けていた。


創部から10年ほどは、

優勝の光景が、

まったく絵にできなかった。



そんな歴史が幾重にも重なり、

今日集まったメンバーが、

奇跡の束となって、存在している。



前回同様に、

片山選手、大吾選手、家垣選手も来てくれた。

今日は14名が集った。

采配に知恵熱が上がりっぱなしだ。



現実味に欠けていたのは、前日の

雨雲を蹴散らすところからそうだった。

しかし“現実に”、雨雲は去った。



…そろそろ、いいだろ?

…もう、いいだろ?

…じらすの、やめてくれよ。

…いいだろ?いいんだろ?



ユーマーズの口から、

《優勝》という言葉を発しても。

優勝を取ると、宣言しても。




現実味が現実を創るわけではない。

俺たちの本気が、求める姿勢が、

劇場のプロセスが、一人一人の念が、


決してそれが非常理であっても、

優勝という、

見事な現実の花を、咲かせるのだ。



例えば。



試合前、

短冊に願いを書いた男がいた。


勝尾寺で達磨を買い込み、

優勝を実現に引き寄せようとした男がいた。



15年の花さき山が、

一人一人の念が、

今ここに、勧修寺に、

咲き乱れようとしているのだ。



//////////


M:力入り過ぎなんだよ。早く試合見せろ。

U:またそんなこと言う…。


//////////


第一試合
大吾“投手”鮮烈デビューまさに大谷二刀流だ!
毎回得点で盤石勝利。裕之投手最多勝を手中に!



7梅垣
4渡部
2尚輝
3稲葉
9片山
DP弓指
8尾崎→家垣
5香川→上杉
6下垣

1裕之→大吾

M 00202 4
U 3132- 9


先発は裕之投手。最多勝に向けて突っ走る。
チェンジアップも冴えわたり、3回を2失点に切って取る。

打っては首位打者争いを展開する、
リーディングヒッターの片山選手。

ここでも猛打爆発の2ラン、タイムリーなどで、
毎回得点をはじき出す。

守っても「守備位置地球」の渡部選手、
可憐なグラブ裁きを見せるなど、
隙を作らない見事な流れ。

そして、舞台は整った。

今期2大エース以外の初登板、
大吾選手がマウンドに立つ。

初回を3人で切って取る鮮烈デビュー、
最終回の押し出しは、次へのプロローグだ。


見事な勝利で、
あと1つまで追い上げる。

勝ち、あと一つだけ。

ヨルシカのメロディーを口ずさむ

…いやそんな暇はない。


さあ、いよいよの、最終戦。


《勝てば優勝》


4年前のフラッシュバックが、

今思えば、消えていた。


悔しかった上鳥羽での惜敗、

横大路での悲劇を、

思い出そうにも記憶がない。



そう、私たちは前を向く。

前を向くから、記憶がない。


今こそ堂々と、声高らかに。

《次、勝てば、優勝》



第二試合
7月4日は、夢が現実になる日。
リーグ加入から15年、UMAs、涙の初優勝
達磨効果、香川選手の値千金3ラン
勧修寺が震えた、Uが舞った、達磨が…笑った。



7梅垣
8渡部
2尚輝
DP稲葉
4片山
5家垣
9大吾
3香川→上杉
6下垣

1啓祐→裕之

I 230 5
U 164 11


「この短冊、いいやろ?」

試合前、啓祐投手の自宅に掲げられた短冊。
中央に鎮座した、
ユーマーズ優勝を願う言霊。

もうここから、
Vのストーリーは始まっていたのかもしれない。

しかし、序盤は胃の痛い展開だった。

啓祐投手に、首位争いの威嚇軍団が襲い掛かる。
技ありと連打で初回に2点、2回に3点を失う。

実に嫌な時間帯だったが、
短冊に込めた思い、
そして、日頃ヘルメットを磨き続けた念の深さが
まるで違うのだ。

その念に呼応したのが、
リーグトップの破壊力を誇る打線だ。

“もう一人の4番”香川選手が、
流れを一気に手繰り寄せる豪快3ランで
押せ押せムードを創り出した。

勝尾寺で実際に手を合わせた男の念が、
この瞬間に花開いたのだ。

その後もタイムリーを積み重ねる。

注目は上杉選手の“サイコパス”
魅惑の挙動で相手をいざない、
大吾選手がしれっとホームイン。
劇場もまた、しっかりと花を咲かせた。


しかし、、

まだだ。もっとだ。もっと点が欲しい。

ランナーコーチは手を回す。
ベンチの声も大きくなる。


私たちに、優勝という二文字は

あまりにも重く、遠い。


私たちには、点数が必要なんだ。

もっと、もっと、点が欲しい。



「時間です」



最初は聞き間違いだと思った。

球審の無造作に放たれた声の、

その“本当の”意味に気づくのに

しばしの間が必要だった。


時間です。…時間です!?



…勝ったのか。


//////////

M:優勝って言葉が、こんな風に話せるってのは、

 なんか、すごいよなあ。

U:この写真見てくださいよ。

 お子さんの、奥様の笑顔の数々。いいでしょ?

M:試合じゃないのかよ(笑)

U:試合がいかにアグレッシブで、

 とても素晴らしい選手たちが、UMAsらしさ満開で、

 辛抱の花を咲かせる最高の試合だったことは、

 間接的に、このご家族の写真を見ればわかりますよ。

 こんな躍動感が出せるのは、選手が全力で団結し、

 ご家族の支えがあったからこその、この躍動感ですから。

M:…15年かあ。

U:ちょっとぉ。何ですか急に。

M:15年前、覚えてるか?

 最初の練習、滋賀の高島市だったんだぜ。

U:ピックランドですよね。

M:あの時は、ベースランニングすらできなかったんだ。

U:それ、ひどいですね。ぐるって走るだけでしょうに。

M:でももう、ここからのUMAsは、

 その積み重ねた歴史を想いながらも、

 次のステージだな。

U:はい、もうその件で監督にはアポ取ってますから。

M:今日はここに来ないのか?

U:来月、きちんと総括と展望を描くそうです、

 そのコメント、取ってきます。

M:…何回も言うけど、…優勝したんだよな。

 本当に、優勝したんだよな。

U:乾杯しましょう。

M:おい、それ豚汁だぞ。

U:うそやん…。

//////////


最初に宙を舞ったのは、弓指監督だった。

「落とすなよ」を連呼したのは、

決して振りではなく、マジだったそうだ。


次に、勝利投手となった啓祐投手。

享平選手のグラブが、

今日も啓祐投手を支え、胴上げに導いた。

その絆に、距離は無意味だった。

今日もしっかり、つながっていた。


そして、見事に抑えた裕之投手。

この二人が間違いなく、ユーマーズのブルペンを守り続けた。

こんなすごい投手がいるんだと、舞う裕之さんを見て、思った。


最後は、主将の尾崎選手だった。

彼の声は、その姿勢は、ユーマーズの番人そのものだ。

一番軽い彼の体は、勧修寺グランドを超えていきそうだった。


4人の胴上げが終わり、

改めてメンバーに目をやる。


ユーマーズがユーマーズでいられるのは、

このメンバーが、あるからだ。



久々に先頭打者に立った梅垣選手。
この存在感は、久々にして堂々たるオーラを放っていた。

守備位置地球の渡部選手。
和歌山からの参上で、移動距離も存在感も「地球」だ。

女房役にしてスナイパーの尚輝選手、
冷静にしてムードを創る爆発力が今期も開花した。

火傷とワクチンの痛みに耐えた稲葉選手。
不動の四番として座り続け、屋台骨を背負った。

シーズン通じて参戦し、リーディングヒッターの片山選手、
その誠実さと活躍ぶりは、ユーマーズの魂そのものだ。

達磨に、手土産に、そして値千金の一打で沸かせた香川選手、
ユーマーズの空間に、香川選手の存在感は欠かせない。

ショートになびく胡蝶の下垣選手。可憐にして技ありの活躍に、
ユーマーズは間違いなく、支えられた。

初マウンドで自信をつけた大吾選手。
寡黙でストイックな存在は今後に期待を持たせた。

無理を言い、ユーマーズを助っ人から活気づけた家垣選手。
今日という日に“遭遇”したのも、何かの縁かもしれません。

そして、、、
スピード違反にオーバーラン、幾多のエンターテイメントで彩る上杉選手。
今日のサイコパスも、私たちの脳裏に深く焼き付き、
THE ユーマーズを見せてもらいました。



12勝2敗、

ユーマーズは、優勝しました。


こんな記事を、

まさか書ける日が来るなんて。



前を見るユーマーズだけど、

今回の初優勝が、

私たちにもたらしたものを、

この夏、改めて、振り返りたいと思う。



プロセス、劇場、色んなものが交差した。

全14戦(うち2不戦勝)一つ一つに込められたものが、

次のユーマーズを創り出し、

次の新しい価値を創造していく。





絵本『花さき山』の最後は、

こう締め括られる。



「あっ!いま 花さき山で、

 おらの 花が さいてるな」

 って おもうことが あった。




ユーマーズの花は、咲きました。

私たちの心に、そして初優勝という形で、

咲きました。



もう、億劫なんて、言わせない、

もう、口にできないなんて、言わせない、


正真正銘、

ユーマーズの、花です。


//////////

M:あ、そういえば、号外は?

U:あ、やべ。これから作ります。

M:豚汁食べてる場合かよ。

U:ちょっと時間ください。優勝の重みですよ。

 祝勝会も、後日ですから。慌てない慌てない。

M:(笑)


U:もうすっかり、夏ですね。

M:ああ。そうだな。良い夏だ。

U:良い夏ですね。

//////////



祝優勝!こんな日がユーマーズに来るなんて…。歓喜の胴上げ。


家族そろっての記念写真。これがユーマーズ魂!優勝の主人公たちだ。


試合前、作戦確認に余念がない。…いや、まさか、馬券?


この達磨が、試合を見守ってくれました。小さいけど、大きかった。そして遂に、左目も黒に!


投球練習に余念がない啓祐投手。このマインドがユーマーズだ。


短冊に願いを込めて。事実、7日を待たずして、それはかなうことになる。


未来の卵たち!ここから明日のユーマーズが生まれる。


がっきー、子供たちと戯れる。ショートだけでなく子守も絶対的な安心感を提供していた。


尚輝ご夫婦の仲睦まじい姿。優勝を決めたスコアと記念撮影。決して保険の宣伝ではありません。
  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 22:59公式戦速報!

2021年07月03日

雨雲を蹴散らす男の話。

揺れる天気予報を横目に、

ふと、そう云えば、と思い出す。



およそ10年前。

牛ケ瀬グランドでの試合前日。


台風と大雨が近畿を襲い、

降水確率80%、

午前の試合でジャジャブリが確実だった。



どうしても諦めきれない男がいた。

多少降っても気にすることはない、

今日という日は今日しかやってこない。


順延をそう簡単に認めてどうする。

俺たちは降っても、牛ケ瀬に行く。



そう言ってはばからず、

前日の準備を着々と進めていた。



いや、、むしろ、俺が、“降らせない”。

俺たちのグランドに雨は降らせない。

2ミリまで許そう。

それ以上はダメだ。


今日しかない試合、

今日を逃したら同じ今日がないということを、

今日しかこれない選手がいるということを、

いつかの青空よ、おい聞いてるのか。



雑巾だってスポンジだって、

何たって持っていくさ。



この情熱に勝てるものは、ナイ!




…その翌朝の、雲の隙間から除く太陽の光を、

…まるで奇跡のような光景に心躍らせたことを、

…はしゃぎながらグランドにたまる水をスポンジで吸い上げ、

みんなでグランドづくりに精を出したあの頃のことを、


…ここ最近の、揺れる天気予報を見ながら、

ふと、思い出すのである。




明日は大事な日だ。

だけど、大事な日は明日に限らない。

いつだって大事でない日などない。



俺たちは明日も、グランドに立つ。

雨雲を蹴散らすことは、案外簡単な話なのだ。


10年前、どうしても諦めきれなかったその男は、

今日も、あの日のように、

準備を着々と進めている。



ユーマーズが掲げるバリユーがある。


 Genius is a little boy

 chasing a butterfly up a mountain.


(天才とは、山の頂上まで蝶を追う幼い少年である)

by ジョン・アーンスト・スタインベック


この言葉に尽きる。



任せなさい。

Uに追えない蝶はない。


なぜなら、ほら、

雨雲を本気で蹴散らした男が、

こうしてブログを書いているからだ。




7月4日、最終節。

役者は、揃う。


この晴天を、明日に望む。雨雲を本気で蹴散らした男より。

  

Posted by 京都上鳥羽UMAs at 21:42徒然日誌