2024年09月01日
《問題提起》傍観者を作らぬことだ(U番記者)
U番記者をはじめて10年ほどになる。ユーマーズが劇場を標榜した時期とほぼ重なる。ここまで色んなことがあった。奇想天外な事、脅威の展開、腹を抱えて、涙を流して、その一つひとつが今ここにあるユーマーズを作った。その数はいわば、劇場の数であり、ユーマーズ形成の糧であり、乗り越えてきた突破の数である。
ここでなぜ筆をとったのか。それは、そんなユーマーズの歴史の中でも、もしかすると大きな分岐点になるやもしれないという、U番記者の直感であり胸騒ぎを禁じ得なかったからである。
その分岐点とは何か。奇をてらったイベントでもなく、過去類を観ない事件や事故によるものでもない。歴史の枝分かれはいつも、実にシンプルで、静かなものだ。
それは、今日の公式戦の中止である。もしかしたら私たちは、リーグ戦という大河における、栄枯盛衰のちょうど割れ目に立っているかもしれないのだ。
あまり歓迎できる割れ目ではない。例えばバブルが弾け、1996年に山一証券が倒産した。「社員は悪くありませんから」当時の社長の涙に濡れた会見が、後になってバブル崩壊の象徴的シーンになった。その後失われた20年を私たちは過ごした。アノ感覚に、どうやら近い。
台風10号の猛威が日本列島を覆った。誰もが「これは無理だ」「自粛すべき」というマインドになった。しかしそんな心配をよそに、台風の勢力はどんどん弱まり、天気予報もここ関西を通過する頃には温帯低気圧に変わるやもしれないという状況になった。アメダスの動き、天気予報の変化を観れば、「これはいける」というのが私見だった。前日のBBQ会場は、山間に位置する湿った場所である。そんな場所でも、晴れ間が差し込み、決して水はけのよくない目の前のグランドが、みるみる乾いていくのが見えた。台風10号が四国上陸の時点で998hPa。関西に着けば「ちょっと風きついね」程度におさまる気がしていた。結果的に台風直撃が予想された今、空は晴れ、そよ風一つ吹いていない。台風10号は「私の」予想通り、風も雨雲も運んでは来なかった。
問題はグランドのコンディションだ。場所によって水はけも違う。できるかどうかは、グランド次第かもしれない。しかし、ここが今回の分岐点であると私は問うている。
グランドのコンディションは、天候ではなく「使う選手たち」に委ねられる話だからだ。グランドは「使う」ものでなく「作るもの」という意識があれば、参画意識は高まる。やがて自分たちで作り上げたという経験が、リーグへの士気を上げ、心を鼓舞する。この「俺たちが変えていく」マインドがない限り、人の心は動かない。文化祭を一緒に作り上げる感覚が必要である。しかしこの中止は、どこか生産者と消費者のような構図を創り上げてしまった。必要なのは「全員でグランドを創り出す」ことであり、更に言えば、「グランドづくりをやって結果的にダメだったけど」という体験である。そう、結果的にみんなでグランドづくりをして、やっぱり水はけが悪いのでできなかったという、この残念で理不尽な体験が必要なのである。ユーマーズが劇場を標榜する意図はここにもある。成功体験だけをユーマーズ劇場は評価しない。何でもないようなこと、何ならやってダメだったというガッカリこそが、劇場への昇華を許される。それがチームビルディングを可能とする。リーグへの参画意識を高め、競技人口が担保されるのだ。
傍観者を作ってはならない。その傍観者が結果的に士気を崩していくという現実の方が、ぬかるんだ水だらけのグランドよりも実は「恐れるべき」ことなのだ。この10年のユーマーズの歴史が、それを証明している。2009年の牛ケ瀬グランド。台風一過で枝が散乱し水だらけのグランドをみんなで整備して試合を強引に成立させた、あの頃である。
今回の前もっての中止で、私たちは確かに平穏な生活を迎えることができた。同時に恐らく選手たちは、却って士気を遠ざけたことだろう。ある意味で次のスケジュールを立てやすくなり、快適な生活も手に入った分、快適なものがあればあるほど、このインフォーマルなスペースは崩壊の序曲を鳴らす。これはあの忌まわしいコロナ禍で、私たちは十分身に染みたはずである。しかし歴史は繰り返す。喉元を過ぎれば、このような系譜を辿る。テクノロジーの進化は無情にも、利便性との戦いを強いられ、やがては効率に踊らされ「結果的に何も残らない」余暇を遺すのである。だからこそ、今回の分岐点はシンプルで静かで、そして意味が重い。
また同時に言えることは、ここから、挽回の機会が生まれるのである。これもまたシンプルだ。傍観者にならぬことであり、傍観者が生まれないくらいの理不尽なものを用意することだ。汗みどろ、泥だらけ、意味不明、くしゃくしゃになって土を運び水を吸い上げるユーマーズ劇場が、その分岐点を逆に発展への突破口に変えていく。そんな未来を、ユーマーズは少なくとも、描くべきなのだ。ここから先の10年を、私は見届けたい。あの公式戦中止の顛末が、却ってこの今の、モノスゴイことを生み出したんですねと、後々胸を張って、言わせてほしいのだ。 (U番記者)
ここでなぜ筆をとったのか。それは、そんなユーマーズの歴史の中でも、もしかすると大きな分岐点になるやもしれないという、U番記者の直感であり胸騒ぎを禁じ得なかったからである。
その分岐点とは何か。奇をてらったイベントでもなく、過去類を観ない事件や事故によるものでもない。歴史の枝分かれはいつも、実にシンプルで、静かなものだ。
それは、今日の公式戦の中止である。もしかしたら私たちは、リーグ戦という大河における、栄枯盛衰のちょうど割れ目に立っているかもしれないのだ。
あまり歓迎できる割れ目ではない。例えばバブルが弾け、1996年に山一証券が倒産した。「社員は悪くありませんから」当時の社長の涙に濡れた会見が、後になってバブル崩壊の象徴的シーンになった。その後失われた20年を私たちは過ごした。アノ感覚に、どうやら近い。
台風10号の猛威が日本列島を覆った。誰もが「これは無理だ」「自粛すべき」というマインドになった。しかしそんな心配をよそに、台風の勢力はどんどん弱まり、天気予報もここ関西を通過する頃には温帯低気圧に変わるやもしれないという状況になった。アメダスの動き、天気予報の変化を観れば、「これはいける」というのが私見だった。前日のBBQ会場は、山間に位置する湿った場所である。そんな場所でも、晴れ間が差し込み、決して水はけのよくない目の前のグランドが、みるみる乾いていくのが見えた。台風10号が四国上陸の時点で998hPa。関西に着けば「ちょっと風きついね」程度におさまる気がしていた。結果的に台風直撃が予想された今、空は晴れ、そよ風一つ吹いていない。台風10号は「私の」予想通り、風も雨雲も運んでは来なかった。
問題はグランドのコンディションだ。場所によって水はけも違う。できるかどうかは、グランド次第かもしれない。しかし、ここが今回の分岐点であると私は問うている。
グランドのコンディションは、天候ではなく「使う選手たち」に委ねられる話だからだ。グランドは「使う」ものでなく「作るもの」という意識があれば、参画意識は高まる。やがて自分たちで作り上げたという経験が、リーグへの士気を上げ、心を鼓舞する。この「俺たちが変えていく」マインドがない限り、人の心は動かない。文化祭を一緒に作り上げる感覚が必要である。しかしこの中止は、どこか生産者と消費者のような構図を創り上げてしまった。必要なのは「全員でグランドを創り出す」ことであり、更に言えば、「グランドづくりをやって結果的にダメだったけど」という体験である。そう、結果的にみんなでグランドづくりをして、やっぱり水はけが悪いのでできなかったという、この残念で理不尽な体験が必要なのである。ユーマーズが劇場を標榜する意図はここにもある。成功体験だけをユーマーズ劇場は評価しない。何でもないようなこと、何ならやってダメだったというガッカリこそが、劇場への昇華を許される。それがチームビルディングを可能とする。リーグへの参画意識を高め、競技人口が担保されるのだ。
傍観者を作ってはならない。その傍観者が結果的に士気を崩していくという現実の方が、ぬかるんだ水だらけのグランドよりも実は「恐れるべき」ことなのだ。この10年のユーマーズの歴史が、それを証明している。2009年の牛ケ瀬グランド。台風一過で枝が散乱し水だらけのグランドをみんなで整備して試合を強引に成立させた、あの頃である。
今回の前もっての中止で、私たちは確かに平穏な生活を迎えることができた。同時に恐らく選手たちは、却って士気を遠ざけたことだろう。ある意味で次のスケジュールを立てやすくなり、快適な生活も手に入った分、快適なものがあればあるほど、このインフォーマルなスペースは崩壊の序曲を鳴らす。これはあの忌まわしいコロナ禍で、私たちは十分身に染みたはずである。しかし歴史は繰り返す。喉元を過ぎれば、このような系譜を辿る。テクノロジーの進化は無情にも、利便性との戦いを強いられ、やがては効率に踊らされ「結果的に何も残らない」余暇を遺すのである。だからこそ、今回の分岐点はシンプルで静かで、そして意味が重い。
また同時に言えることは、ここから、挽回の機会が生まれるのである。これもまたシンプルだ。傍観者にならぬことであり、傍観者が生まれないくらいの理不尽なものを用意することだ。汗みどろ、泥だらけ、意味不明、くしゃくしゃになって土を運び水を吸い上げるユーマーズ劇場が、その分岐点を逆に発展への突破口に変えていく。そんな未来を、ユーマーズは少なくとも、描くべきなのだ。ここから先の10年を、私は見届けたい。あの公式戦中止の顛末が、却ってこの今の、モノスゴイことを生み出したんですねと、後々胸を張って、言わせてほしいのだ。 (U番記者)
11/16 無限飯(つじ農園様)ユーマーズ2年連続で!
10/27 第四回 ユーマーズ杯(shogi)開催
9/21 日野BBQ大会
9/13 ユーマーズアカデミー(in 祇園四条)事前ミーティング
【速報】ユーマーズ劇場が商標登録に! & 9/13(金)BAR貸し切りイベント開催
7/1 U戦士、20周年記念イベントの下見に訪れた
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Posted by 京都上鳥羽UMAs at 08:10
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